選定療養対象の多焦点眼内レンズ

選定療養とは、社会保険に加入している患者が、追加費用を負担することで保険適用外の治療を、保険適用の治療と併せて受けることができる医療制度です。

詳しくははこちらをご覧ください。

選定療養とは

選定療養とは、社会保険に加入している患者が、追加費用を負担することで保険適用外の治療を、保険適用の治療と併せて受けることができる医療制度です。 当院では多焦点眼…

以下のレンズを用いた白内障手術は、手術代、薬代、検診費用は保険適用、レンズ代は自己負担になります。

シンフォニー

乱視矯正:○

近見の焦点距離:約50~70cm

シンフォニー

エイエムオー・ジャパン株式会社から2017年6月に発売された多焦点眼内レンズです。

このシンフォニーは焦点深度拡張型(Extended Depth of Focus:EDoF)というタイプの多焦点眼内レンズです。

従来の回折型の多焦点眼内レンズの技術に加え、独自のエシェレット回折構造を搭載することで焦点深度を拡張させています。

そのため、遠くから中間までの距離を見るときに、より自然で鮮明な見え方を提供できるのが特徴です。

新聞など近くを見るときは老眼鏡をかけたほうが見やすいと感じるかもしれません。また、従来の多焦点レンズと比較して暗い場所でも見え方が落ちにくく、色の濃淡もわかりやすいなどのメリットがあります。

また、このシンフォニーという多焦点眼内レンズは疎水性アクリル素材で作られており、グリスニング・ホワイトニング等のトラブルが生じにくく、長期にわたって高い透明性を維持しているとも報告されています。

アクティブフォーカス

乱視矯正:○

近見の焦点距離:約50cm

アクティブフォーカス

日本アルコン株式会社から2018年7月2日に発売された多焦点レンズです。

このアクティブフォーカスというレンズでは、中心領域が遠方に光を100%配分する特殊な構造と、瞳孔径に応じて光を最適配分する「アポダイズ回折」デザインが組み合わされています。

これにより、遠方から中間の見え方が強化されており、遠方を見た際のにじみやぼけが低減されています。

また従来の多焦点レンズよりもグレア・ハロー現象を抑え、色彩の濃淡も区別しやすくなっています。

夜間に運転する機会が多い方、ゴルフや卓球などのスポーツを楽しみたい方など、アクティブなライフスタイルを好む方により適した眼内レンズです。

テクニスマルチ

乱視矯正:なし

ZMBタイプの近見距離:約30cm

ZLBタイプの近見距離:約40cm

ZKBタイプの近見距離:約50cm

エイエムオー・ジャパン株式会社から販売されている多焦点眼内レンズです。

このテクニスマルチは2焦点型の多焦点レンズで、遠くと近くの2か所に焦点が合うように設計されています。

近くの距離は、眼から約30cm(ZMBタイプ)、約40cm(ZLBタイプ)、約50cm(ZKBタイプ)の3タイプからお選びいただけます。

例えばスポーツや買い物を重視する方はZKBタイプ(約50cm)、パソコン作業や料理を重視する方はZLBタイプ(約40cm)、読書や編み物など近くの作業を重視する方は約ZMBタイプ(約30cm)というように、ひとりひとりのライフスタイルにマッチしたレンズを選んでいただくことができます。

このテクニスマルチは低屈折率で色収差の少ないアクリル素材を採用しており、特にZKBタイプ(約50cm)では術後も高いコントラスト感度を提供し、色の濃淡を見分けやすくなっています。

さらにウェーブフロント設計により、眼全体の球面収差をほぼゼロに補正。そのため薄暗い場所でもシャープで鮮明な見え方となります。

また、レンズそのものがシャープエッジデザインという切れ目のない構造となっているため、水晶体上皮細胞の遊走を抑え、後発白内障を低減。さらに素材として厳密な工程管理の下で製造した疎水性アクリルを使用することによりグリスニング等のトラブルも抑制しています。

クラレオン パンオプティクス

乱視矯正:○

焦点距離:約40〜80cm

クラレオン パンオプティクス

alcon社(アメリカ)から発売された3焦点眼内レンズです。以前より日本でも正式に承認され使用されていたPan Optixレンズの長所を踏まえつつ、さらに新素材を採用して長期的透明性を実現しています。

2022年4月より一般販売開始されました。

このクラレオンパンオプティクスではENLIGHTENテクノロジーを使用し、遠くの視力を犠牲にすることなく近方から中間(40〜80cm)に連続してピントが合う構造を実現。従来の多焦点レンズよりも眼鏡を使う頻度を少なくすることができるのが強みです。

さらに瞳孔径3.0mmという状況下でも光エネルギー利用率は88%と高い水準を維持。どの距離を見る際にも良好なコントラスト感度で鮮明な視覚の質を提供できます。

またレンズには瞳孔径の依存が少ない4.5mm回折ゾーンを採用しており、薄暗い場所でも見え方に影響がでにくい構造となっています。

乱視用のレンズの場合は軸が回転しにくいデザインを採用しているため、質の高い乱視矯正を実現しています。

このように従来より快適な見え方を提供できるため、例えば毎朝新聞を読んで情報収集し、日中はパソコンで仕事、休日にはスポーツや旅行を楽しむようなアクティブな方にもお勧めできる多焦点レンズです。

シナジー

乱視矯正:〇

近見の焦点距離:約35cm~

シナジー

2021年に日本での販売が開始となった多焦点レンズです。

焦点拡張型のレンズ(遠くから中間距離の見え方がスムーズ)と、二焦点型のレンズ(近くも得意な多焦点レンズ)を組み合わせたような見え方です。

35cm先くらいの手元から、標識などの遠くのものまで、連続的に焦点が合うように設計されています。

また、コントラスト感度も高く、薄暗い場所でも比較的文字が読みやすいと言われています。


自由診療対象の多焦点レンズについてはこちらをご覧ください。

自由診療対象の多焦点眼内レンズ

自由診療とは自由診療とは、公的な医療保険が適用されない医療技術や薬剤による治療のことです。 以下のレンズを用いた白内障手術は、費用のすべてが自己負担(10割負担)…