自由診療対象の多焦点眼内レンズ
自由診療とは自由診療とは、公的な医療保険が適用されない医療技術や薬剤による治療のことです。
以下のレンズを用いた白内障手術は、費用のすべてが自己負担(10割負担)となります。
ミニウェル
乱視矯正:○
近見の焦点距離:約60~70cm
イタリアのSIFI MedTech社が販売する多焦点眼内レンズです。
レンズ上に3層の同心円状の構造を設けることで、遠方から近方までスムーズに見ることができます。
焦点拡張型の多焦点眼内レンズで、特に遠方と中間距離の見え方に強いという特性があります。
スポーツがお好きな方、料理やパソコン作業をされる方に適しているといえるでしょう。
また球面収差を利用した構造で、ハローやグレアを抑えたクリアな視界を提供できるのもミニウェルの特長です。
特に夜間の運転時には、他の多焦点眼内レンズよりもすっきりして見やすく感じられるでしょう。
ファインビジョン
乱視矯正:○
近見の焦点距離:約30cm
PhysIOL社(ベルギー)から2011年に発売された3焦点眼内レンズ(トリフォーカルレンズ)です。
遠方と近方はもちろん、中間距離にもピントが合うように設計されています。
このファインビジョンは3焦点型の多焦点レンズで、アポタイズド回折とバイフォーカル(2重焦点)というふたつの技術が組み合わされています。
どのような状況下でも瞳孔の動きにあわせて光の入り方が自然と最適化されまるように設計されており、焦点を3か所と増やしても光エネルギーのロスを抑えることができます。
遠方、近方そして中間距離のいずれを見るときにもベストな視力を出すことができるので、いままで眼鏡をかけることがあまりなく、眼鏡をかけたり外したりするのが煩わしいという方に向いているでしょう。
レンティス
乱視矯正:○
近見の焦点距離:約30~50cm
ドイツのoculentis社が開発した多焦点眼内レンズです。
完全オーダーメイド製で、手術を受ける方の度数に合わせて0.01D単位での調整が可能です。強い乱視にも対応しています。
レンズはプレート型で全長11mm、その中央に直径6mmの光学部分があります。
この光学部分の上方が球面・非対称の構造をもつ遠用部分、下方が扇状の構造を持つ近用部分となっている、セクター型と呼ばれる多焦点眼内レンズです。遠用部と近用部に境目がないため光のロスが少なく、他の多焦点レンズに比べてコントラスト感度が低下しにくいといった特徴があります。
また、他の多焦点レンズと比べてハローやグレアも生じにくくなっています。
レンティスシリーズにはいくつもの種類があり、遠方の見え方が得意なもの、遠方と近方の見え方が比較的得意なもの、遠方はまあまあだが中間や近方の見え方が得意なものなど、幅広いラインナップが揃っています。
レンティスをご希望される場合は、その患者さんの眼の状態を考慮したアドバイスはもちろん、ライフスタイルや見え方のご要望なども聞き取りながら、最も適したレンズを医師がご提案させていただきます。
アクリバトリノバ
乱視矯正:〇
近見の焦点距離:約40~80c
遠方・80cm・40cmの3カ所でピントが合う設計です。さらに焦点拡張型の機能も備えており、他の3焦点レンズより遠方から中間、中間から近方もスムーズに見える構造となっています。
ハローやグレアといった光の散乱やにじみも抑えるように工夫されています。またコントラスト感度も高く、暗い場所でも見え方が落ちにくいレンズといえます。
遠くも近くもよく見る生活であれば、例えばゴルフのピンを見たり飛んでいるボールを見たりするときなどに便利に感じるでしょう。運転しながらカーナビを見たり、指揮者と楽譜を交互に見たりする際もスムーズに感じるかもしれません。
近くは40cmの距離にピントが合う設計のため、細かい文字を読んだりスマートフォンを使う場合は老眼鏡をかけたほうが見やすいかもしれません。